ルポ 最底辺―不安定就労と野宿 (ちくま新書)
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全国の寄せ場化
本当はすぐそこにある生活
浮浪者の考え方が根本的に変わる。
良質のルポだが、どうかと思う部分もある
発売日:2007-08
ランキング:14877位

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「ルポ 最底辺―不安定就労と野宿 (ちくま新書)」のレビュー・感想


【全国の寄せ場化】
本書では釜ヶ崎を主たる舞台に、野宿者をはじめとする貧困に直面する人々の実態に迫った渾身の書である。そこには釜ヶ崎の労務者と現代の日雇い労働者の驚くべき類似性が見えてくる。派遣会社と衣を替えた手配師、ドヤもネットカフェ・レストボックスも簡易宿泊所としては殆ど変わらない。そして野宿への転落の危機。時代が変わっただけで、世の中の矛盾の最先端で貧困にあえぐ姿は驚くほどの類似性を呈している。

釜ヶ崎も寄せ場としての機能が衰退し、福祉の町へと変貌しつつあるという。かつて釜ヶ崎や山谷といった地...

【本当はすぐそこにある生活】
先日、友人ふたりがネットカフェ難民について、

「ネットカフェ難民ってなに!?」

「まともに働いて月10万もいかないなんて考えられない。」

などと嘲笑的に話しているのを聞いた。

生田さんのお供をさせてもらい、
釜ヶ崎の夜回りに参加したこともあり、
内心反論したい気持ちでいっぱいだったが、
感情ばかりで反論するだけの理論武装がなく、
苦虫を噛みつぶす思いで気持ちを抑えてやり過ごした。

そのようなこともあり、夜回り直後に...

【浮浪者の考え方が根本的に変わる。】
路上生活者の実態を20年に渡り追いかけた集大成。著者は彼等の実態を追うばかりではなく、実際に路上生活をして肌で感じている所が凄い。記述には若干の偏りがあると見受けられるがそもそもルポだししょうがない。またその偏りを除去しても余りある最底辺の現状が浮き彫りになっている。

最先進国の日本に居ながらにして伝染病にかかり、路上で凍死し、若者から暴行を受け悪徳業者の金づるにされる。学歴が低すぎたり身体に障害があり普通の仕事に就けないが生活保護は受けられない。そんな人々がどんどん底辺に転落して...

【良質のルポだが、どうかと思う部分もある】
日雇い労働者や野宿者の支援をした著者の経験が、いい方向で出ているルポルタージュだ。すなわち、(ア)日雇い労働者や野宿者の実際、(イ)行政や市民がいかに偏見を持っており、それがために(主に)野宿者が過酷な状況に置かれているか、(ウ)問題が構造的であること、など、日雇い労働者や野宿者の問題についての穏当な知識が得られる本である。

ただ、著者の主張に若干の疑問がある。結論自体は変わらないだろうが、就労を第一義にするのがいいかは疑問を留保したい(就労できないと思われていることが偏見の一因...